オウンドメディアを立ち上げるには、まず社内リソースや予算の確保などさまざまな準備が必要です。マーケティング施策のひとつとしてオウンドメディアを立ち上げる場合、構築から運用、分析や改善にかかる費用相場や費用対効果をある程度把握しておくことが欠かせません。
オウンドメディアは、大別すると「戦略設計」「立ち上げ」「コンテンツ制作」「分析・CVR改善」の4つの工程で費用が発生します。どの工程を自社で制作・運用するか、または制作会社に依頼するかによっても費用が異なってきます。
本記事では、弊社がオウンドメディアの立ち上げから運用に携わった事例を交えて、オウンドメディアの費用相場や費用対効果を高める方法をお伝えします。
オウンドメディアの費用相場を理解するには、まずオウンドメディアを立ち上げてから運用するまでの全体像を掴んでおきましょう。どの範囲を依頼するのか、背景や目的などによって費用が大きく異なるからです。
一般的なオウンドメディアの立ち上げから運用までの流れと、それぞれの工程で検討すべき要素をまとめました。
| 内訳 | 詳細例 |
|---|---|
| 戦略設計 | ・運用目的、成し遂げたいミッションを定義する |
| サイト制作 (立ち上げ) | ・メディアの制作準備~公開を行う |
| コンテンツ運用 | ・コンテンツ制作や改善などの運用を行う |
| 分析・CVR改善 | ・コンテンツを効果測定・分析し、改善施策を実施する |
| その他 | ・サイトの維持・更新 |
オウンドメディアは立ち上げただけでは成果を上げることが難しく、運用する目的を明確にしたうえで戦略設計を考えていくことが重要です。例えば、会社名やサービス名を知ってもらうための認知拡大や、問い合わせや資料請求を増やすためのリード獲得といった目的があげられます。
戦略設計やサイト構築など、自社での対応が困難な工程があれば、自走できるようになるまで制作会社やマーケティング会社に依頼することを検討してみるのもひとつです。
前章で説明した内訳ごとに、それぞれでかかる一般的な費用相場を詳しく紹介します。
オウンドメディアの立ち上げ時には、100万円~300万円程度かかるのが一般的で、立ち上げ後の運用には、毎月90万円~130万円ほど掛かることもあります。オウンドメディア運用にかかる費用は、初年度でみると1,000万円ほど掛かる場合も珍しくないでしょう。
ただしサイトの規模や運用目的などによっても費用感が大きく変わってきます。あくまでひとつの目安として参考にしてください。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| 戦略設計 | 10万円~30万円 | 1. 運用目的、成し遂げたいミッションを定義する |
2. 成果達成までの戦略、ストーリーをフェーズごとに設計する | ||
3. タッチポイントを設計する |
新規に立ち上げる場合も、既にあるオウンドメディアの改善をする場合も、まずはプロが戦略設計を行うことが多いです。
オウンドメディアで成果を上げるためには、戦略設計が大変重要となります。戦略設計とは、得たい成果や、解決したい事業課題といった目的を定め、それを達成するためにどのようなオウンドメディアを構築し、どのように戦うべきかを定めることです。戦略設計がなければ、立ち上げるだけで成果を生み出さないオウンドメディアになってしまうでしょう。
例えば、オウンドメディアで多い相談として「現状広告経由での集客に頼っており、オウンドメディア(オーガニック)での集客を増やし広告費を削減したい」といった課題などがあります。
それに対して、オウンドメディアを活用してどのようなタッチポイントで、どんなユーザーを集客し、どう成果に結びつけるかをプロが考えます。さらに、それを実現するため行動計画(フェーズごとにどのようなアクションを積み重ねるべきか、何に予算をかけるべきか)にまで落とし込み、それをもとに立ち上げや制作に入っていくことが多いでしょう。
これらを行う戦略設計費用は、おおよそ10万円~30万円掛かります。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| サイト制作(立ち上げ) | 30万円~100万円 | 1. メディアの制作準備~公開を行う |
2. モニタリング環境を構築する |
オウンドメディアの立ち上げやリニューアル時、改善する際もプロに頼む場合は、前述した戦略設計から入ることがほとんどです。戦略設計をもとに、制作に入っていきます。
サイト制作では、まずワイヤーフレームを作成します。「どのようなコンテンツを配置するか」「ファーストビューで何を訴求するか」などページレイアウトの構成や、要素を決める作業です。さらに、会員登録ページやサイト検索といったサイトに必要な機能や、各ページの要件定義を行っていきます。
オウンドメディアを新たに立ち上げる場合は、ドメインやサーバや、コンテンツを管理するためのCMSを準備しなければいけません。自社サーバーを使うか、クラウド型サーバーを使うかによっても費用が大きく変わります。自社サーバーを使う場合は、クラウド型に比べてセキュリティ面の安全性が高くなりますが、高額になることが多いでしょう。サイトデザインはテンプレートを利用するか、またはオリジナルで制作するかによっても費用が変わってきます。
オウンドメディアの構築ができたら、コーディングを実施します。テスト環境で問題がなければ、本番環境に実装し立ち上げが完了です。立ち上げ後は、効果検証のためにGoogleアナリティクスなどのツールを導入し、モニタリング環境を構築しておく必要があります。
これらのサイト制作に掛かる費用は、おおよそ30万円~80万円となります。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| コンテンツ運用 | 20万円~80万円 | 1. コンテンツ制作や改善などの運用を行う |
2. コンテンツの効果検証やCVR改善を含むこともある |
オウンドメディアを立ち上げたら、新規コンテンツの制作や改善しながら運用していきます。
例えば、BtoB向けのオウンドメディアでリード獲得を目的とする場合は、問い合わせ数(CV数)を獲得するためのコンテンツを制作します。この場合は検索をタッチポイントにして、サービスを検討しているユーザーが検索するであろうキーワードで上位表示することが、CV獲得の近道です。ユーザーニーズを掴んだコンテンツを制作することで成果が見込めます。プロに依頼する場合は、キーワード設計やコンテンツ設計のアドバイス、コンテンツ制作全般を依頼します。
集客のためのコンテンツだけではなく、コンバージョンコンテンツ(ホワイトペーパーなど)を制作することもあるでしょう。
さらに、コンテンツは一度作ったら終わりではなく、効果検証をしながら改善をしていなかなくてはいけません。既存コンテンツのメンテナンス費用がかかることも念頭に入れておきましょう。
SEO記事やホワイトペーパーなどのダウンロードコンテンツを制作する費用相場は、1記事5万円~10万円程度掛かります。既存コンテンツのメンテナンスは、新規制作の半額程度の費用が掛かるのが一般的です。制作するコンテンツや数によって費用が変わってきます。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| 分析・CVR改善 | 月額10万円~40万円 | コンテンツを効果測定・分析し、改善施策を実施する |
オウンドメディアの成果を上げるためには、サイト全体やコンテンツの分析や改善を繰り返すために分析や、CVR改善を行うことも欠かせません。
メンテナンスを行うには、分析ツールなどの外部ツール導入やデータ基盤を構築したり、必要に応じてコンテンツ制作体制を見直したりすることもあります。
分析・CVR改善費の費用は、月額10万円~40万円程度です。ただし分析やCVR改善は、状況に応じてコンテンツ運用の費用に含まれることもあります。依頼先や取り組み内容によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| サイト維持 | 初期費用:0円~2万円 | サイトの維持・更新 |
| アドバイザー支援 | 月40万円~ | スポットでのアドバイザリー |
オウンドメディアの維持には、サーバー代やドメイン代が必要です。レンタルサーバーやドメインは、導入時に初期費用が0円~2万円程度、ラーニングコストは月額5千円~2万円程度と掛かります。
自社でコンテンツ制作やメンテナンスが難しいときは、「アドバイザー支援」など自走できる体制が構築できるまでサポートを依頼することも可能です。
例えば、スポットで戦略に関するアドバイザリーや、将来的に自社で運用できるようにインハウス(内製化)の支援に入ってもらいます。アドバイザー支援の費用は、おおよそ月額40万円からとなります。
これまでお伝えしてきた通り、オウンドメディアの費用は目的や状況によって大きく異なります。
よりイメージを深めていただくため、弊社で実際に支援した事例をもとに、オウンドメディアの費用例を紹介します。
▼プロジェクト概要
| 課題や背景 | BtoBサービスを提供しているクライアントで、リード獲得を目的にオウンドメディアを運用していたものの、成果が上がっていなかった |
|---|---|
| ミッション | オウンドメディア(検索経由)からのリード獲得最大化 |
| 行ったこと | ・戦略設計 |
クライアントはコンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを立ち上げたものの、ほとんどリード獲得につながっておらず、その課題を解決するため弊社にご依頼いただきました。
まずは戦略設計から入り、目標とする年間の新規リード創出数を定め、目標達成のための行動計画を策定。その後コンテンツの新規制作とメンテナンスを繰り返しながら運用しました。成果を上げるために、CVR改善も実施しました。
ステップごとのサポート内容と費用感は、以下のとおりです。
list-2 list-2 list-2上記は弊社が支援したひとつの例となり、オウンドメディアの運用目的や事業フェーズなどによってどの部分に注力すべきか支援する内容も異なります。
オウンドメディアを制作するうえで、予算を立てるときに気をつけたいポイントを3つ紹介します。
外注する場合、サイトデザイン制作やコーディングのみであれば、スポットでの依頼で終わることが多いでしょう。しかし、自社にオウンドメディアの運用経験やマーケティングに精通した人材がいない場合は、総合的な運用支援を検討しておく必要があります。特に将来的に自走することを想定するときは、インハウス化のサポートを依頼するといったケースも考えておきましょう。
依頼する業務範囲によって費用が変わってくるため、制作会社に依頼する場合は運用目的や依頼したい業務内容を事前に整理しておくことが大切です。
これまでコンテンツを大量に制作したけれど、成果が得られなかったといった相談をいただく機会が多くありました。費用の安さだけで外注先を選んでしまうと適切なサポートが受けられず、コストをかけてコンテンツを増やしても成果がなかなか上がらないといったケースも少なくありません。
費用を削ったことでコンテンツの質が担保できず成果につながらなければ、費用対効果はむしろ低くなってしまうわけです。少しでも費用を削減することは重要ですが、成果達成に向けて力を入れるべき業務は費用面だけで外注先を選定しないように注意しておきましょう。
オウンドメディアはコンテンツマーケティングのひとつの手段で、運用目的や解決したい課題も企業によってさまざまです。例えば「集客を加速させ売上を生み出していきたい」「他施策よりも効率的に集客しコストを抑えたい」など運用する目的が違えば、オウンドメディア施策に求める効果も異なります。
またオウンドメディアで求める成果指標によって、目標達成までにかかる時間も変わってきます。オウンドメディアはすぐに効果が見込めるわけではなく、成果があがるまでに時間を要することを理解しておきましょう。
先述したとおりオウンドメディアは即効性がないため、中長期的な視点を持って費用対効果を考えることが大切です。マーケティング予算を適切に分配するには、「かけた費用に対して効果が得られるのか」「目標に対して貢献するか」で検討する必要があります。
例えばBtoB向けのオウンドメディアであれば、オウンドメディア経由での問い合わせや資料請求などの新規リードを創出し、掛けた費用よりも売上が上回れるかを考えなければいけません。
仮にリードからの受注率が20%で、受注単価20万円であれば、以下のように費用対効果を算出できます。
オウンドメディアの制作費に、人件費40万円+外注費60万円=100万円かかっていた場合は、リードが25件以上取れれば黒字、25件未満であれば赤字になるわけです。このオウンドメディアであれば、目指すべき成果目標は「25件のリード獲得」となり、25件以上のリードが獲得できれば費用対効果は高いと言えます。
リード獲得のほかにも、採用力強化を目的とするケース、商品やサービスの認知拡大を狙ったブランディングなど運用目的や得たい成果によって異なります。かけた費用よりも売上を積み重ねるか、または費用を下げていきながら運用していくことで中長期的に投資費用を回収していくことを前提として考えましょう。
オウンドメディアは、「戦略設計」「立ち上げ」「コンテンツ制作」「分析・CVR改善」の4つの工程で費用が発生し、一から立ち上げるか、既存メディアを改善するかによっても異なります。
オウンドメディアに掛かる費用目安の内訳は、以下のとおりです。
| 内訳 | 費用目安 | 詳細例 |
|---|---|---|
| 戦略設計 | 10万円~30万円 | ・運用目的、成し遂げたいミッションを定義する |
| サイト制作 (立ち上げ) | 30万円~100万円 | ・メディアの制作準備~公開を行う |
| コンテンツ運用 | 20万円~80万円 | ・コンテンツ制作や改善などの運用を行う |
| 分析・CVR改善 | 月額10万円~ 40万円 | ・コンテンツを効果測定・分析し、改善施策を実施する |
| その他 | 月40万円~ | ・サイトの維持・更新 |
依頼する業務範囲によってかかる費用がかわってくるため、短期的な成果で判断するのではなく、中長期的な視点で費用対効果を考えたうえで最適な費用を算出することが欠かせません。成果が見込めるオウンドメディアを構築したいときは、一度専門家に相談してみるとよいでしょう。