5分でわかるリターゲティング広告|効果的に運用する方法を解説
この記事でわかること
「リターゲティング広告ってどんな仕組みで配信される?」「リターゲティング広告はどんな手順で配信すればいい?」本記事を読んでいただいている方は、そのような悩みを持っているのではないでしょうか。
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪問したユーザーに対して配信される広告です。
以下のような仕組みで広告が配信されます。

リターゲティング広告で成果を上げるには、配信リストをどのように作成するかが重要です。そのため、どのようにリストを作成するかも理解しておく必要があります。
また、広告を配信するための設定も媒体によって異なるため、どのように設定すべきか把握しておくことをおすすめします。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
- リターゲティング広告の特徴
- リターゲティングのメリットと留意すべきポイント
- 媒体別の実施手順
- リターゲティングでミスしがちなポイント
- cookie規制がリターゲティング広告に与える影響
この記事を読むことで、リターゲティング広告を効果的に運用する方法が理解できます。配信リストの作成方法も解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
リターゲティング広告とは

冒頭でもお伝えした通り、リターゲティング広告とは、過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して配信される広告です。
ユーザーが認知している商品やサービスに関する広告を配信するため、CVRが高くなる傾向があります。 媒体によっても特徴が異なるので、それぞれの違いを見てみましょう。
リターゲティング広告が配信できる媒体
リターゲティング広告を配信できる媒体は複数あります。
代表的な媒体の特徴を下記にまとめました。
| 媒体 | 特徴 |
|---|---|
| Googleディスプレイネットワーク (略称:GDN) | ・Googleと提携する200万以上のサイトで配信できる |
| Yahoo!ディスプレイ広告(運用型) (略称:YDA) | ・Yahoo!ポータルサイトや法人の提携サイトに配信できる |
| 各種SNS広告 Facebook/Instagram/LINEなど | ・フィードに広告が表示されるため広告感が薄れる |
| Criteo | ・Google、Yahoo!、Facebook、Instagramなど幅広く配信できる |
このように、媒体によって配信面や効果が異なるため、違いを理解してからどこで配信するかを決めましょう。
リターゲティング広告とリマーケティング広告の違い
リターゲティングと似た言葉に「リマーケティング」がありますが、これらは媒体によって呼び方が異なるだけであり、同じ性質を持つ広告を指します。リマーケティングはGoogleでの呼称です。
多くの媒体はリターゲティングですが、Googleではリマーケティングと呼ぶと覚えておきましょう。
- 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
- 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
- ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる
リターゲティング広告配信の仕組み
リターゲティング広告が配信される仕組みは以下の通りです。

仕組みを理解することで、後ほど解説する配信リストの重要性がわかるようになります。
では、仕組みについて詳しく解説していきます。
自社サイトにリターゲティング用のタグを設置
リターゲティング広告を配信するためには、ユーザーがサイトを訪問したことがあると判別できなければなりません。そのため、まず自社サイトに広告配信事業者が提供するリターゲティング用のタグを設置します。
タグを設置する箇所は、ターゲティング対象にしたいページすべてです。例えば、「商品A」に関するリターゲティング広告を配信したい場合、「商品A」に関連するページすべてにタグを設置するなどです。
サイトを訪問したユーザーの情報を蓄積して配信リストを作成
タグを設置したページにユーザーが訪れると、リターゲティングタグにより広告配信事業者のサーバーからCookieIDが付与されます。CookieIDによって、広告を配信すべきターゲットであることを認識できるようになるのです。
CookieIDで得たユーザー情報を蓄積していき、一定量以上になったらリストを作成します。リストを作成する際に配信条件を定め、その条件に合致するユーザーに対して広告が配信されます。
サイトへの訪問者が少ない場合、リストの作成そのものができず広告が配信できません。例えば、GDNでは過去30日間のアクティブユーザーが100人以上、YDAではターゲットリストのリーチ数1,000件以上が必要です。
ユーザーが掲載面のあるサイトを訪れた際に広告を配信
広告の配信が可能になると、CookieIDを付与したユーザーが広告掲載面のあるページを訪れた際に、リターゲティング用の広告が配信されます。
リターゲティング広告の費用

リターゲティング広告の運用を検討しているのであれば、どのくらいの費用がかかるのかも理解しておきましょう。
リターゲティング広告の課金方式と費用相場について解説していきます。
リターゲティング広告の課金方式
リターゲティング広告の課金方式は、クリック課金とインプレッション課金の2パターンがあります。
| クリック課金 | 広告がクリックされるたびに課金される |
| インプレッション課金(CPM課金) | 広告を表示した回数にしたがって課金される |
クリック課金は広告がクリックされなければ課金にならないため、興味のないユーザーに対して課金が発生しにくいという特徴があります。
インプレッション課金は広告を表示した回数によって課金が発生しますが、クリック率が高い場合はインプレッション課金の方がコストパフォーマンスが良くなる傾向があります。
リターゲティング広告の費用相場
リターゲティング広告の費用相場を、課金方式ごとに見てみましょう。
| クリック課金 | 数十円/1クリック |
| インプレッション課金(CPM課金) | 数十〜数百円/1,000回表示あたり |
クリック課金の場合、競争の激しいキーワードは相場を大幅に超える金額になるケースもあります。
また、インプレッション課金は広告の表示回数で費用が決まるため、広告が配信されるほど広告費も高額になります。リターゲティング広告は自社サイトに訪問したユーザーに対して表示させる広告であるため、訪問者が多いほど広告費も高額になるでしょう。
リターゲティング広告を運用する5つのメリット

リターゲティング広告を運用するメリットは以下の通りです。
広告を配信するターゲットを絞れる
見込み顧客に再アプローチできる
費用対効果・CVRが高い
単純接触効果を狙える
検討期間が長くなりやすい商材と相性がいい
では、これらのメリットについて詳しく解説していきます。
広告を配信するターゲットを絞れる
リターゲティング広告は、自社サイトを訪れたことがあるユーザーに対して広告を配信するため、大幅にターゲットを絞ることができます。
さらに、指定したシナリオに応じてさらに的確なターゲティングができるため、無関心なユーザーへの広告配信がされないだけでなく、ニーズが顕在化している見込み顧客に対してアプローチが可能です。
見込み顧客に再アプローチできる
決定を先延ばしにしたユーザーの中には、そのまま購入意欲を失ってしまったり、商品やサービスの存在を忘れてしまったり、CVに至らず終わってしまう人が多くいます。
そのようなユーザーに対し、リターゲティング広告を配信して再度アプローチをすれば、購買意欲を復活させられる可能性があります。また、商品やサービスの存在自体を忘れられている場合も、広告を目にすることで思い出してもらえるため、もう一度興味を持ってもらえるかもしれません。
一度は商品やサービスについて「知りたい」と考えて自社サイトを訪れたユーザーに配信される広告であるため、再アプローチをすることは効果的と言えるでしょう。
費用対効果が良く、高いCVRが見込める
リターゲティング広告は、前述したように無関心なユーザーへの広告配信はされません。そのため、費用対効果が高い広告と言えます。
また、自社の商品やサービスに対して関心度の高いユーザーにターゲットを絞って広告を配信できるため、高いCVRも見込めるでしょう。
単純接触効果を狙える
リターゲティング広告は、同じユーザーに対して何度も広告を表示させるため、単純接触効果(ザイオンス効果)が期待できます。単純接触効果とは、接触回数が増えることで好意的な印象が高まる効果です。人間関係・食べ物・デザインなどさまざまなものに対して起こります。

広告や営業などでもこの効果があるとされており、接触回数が多いリターゲティング広告は単純接触効果を狙いやすい広告と言えるでしょう。
ただし、接触回数が増えるほど好意度が上がり続けるわけではありません。単純接触効果によると10回までが効果の限界とされており、それ以上は好意度が上がらない可能性があることを理解しておきましょう。
リターゲティング広告は他のWeb広告と同様にユーザーに対する表示回数をコントロールすることができます。単純接触効果を意識して表示回数を検討してみましょう。
検討期間が長くなりやすい商材と相性がいい
リターゲティング広告は商品やサービスを検討中のユーザーに対して広告を配信し、アプローチするという特徴があるため、検討期間が長い商品と相性がいい広告です。
例えば、以下のような商材と相性がいいとされています。
- BtoB商材
- 検討に時間がかかる高額商材
- 比較検討すべき項目が多い商材
このように、即決できない商材でリターゲティング広告を配信することで、検討段階にいるユーザーの関心を保つことができます。
リターゲティング広告で理解しておくべき3つの留意点

メリットについてお伝えしましたが、リターゲティング広告を配信する前に以下のような留意点も理解しておきましょう。
- 潜在層へのアプローチには適さない
- ユーザーからマイナスのイメージを抱かれる可能性がある
- 運用に知識や経験のある人材が必要
これらを理解していないと、リターゲティング広告を配信しても効果が得られない可能性があります。
では、ひとつずつ解説していきます。
潜在層へのアプローチには適さない
「潜在層へアプローチしていきたい」と考えている場合、リターゲティング広告は適していません。
なぜなら、自社サイトに訪れたことのあるユーザーに対して配信される広告であるため、サイトを訪問することがない潜在層ユーザーや商材のジャンルに関心がないユーザーは、広告の対象とならないからです。
潜在層にアプローチしたい場合は、以下のような広告を配信しましょう。
- ディスプレイ広告
- SNS広告
上記の広告について知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。
ユーザーからマイナスのイメージを抱かれる可能性がある
「自分が見ていた商品の広告がしつこく表示される…」このような状況に嫌悪感を抱くユーザーもいます。
以下は、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)による「2020年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定性)」調査結果からの示唆に掲載された、ターゲティング広告への期待の声です。
このように、広告の品質・ターゲティング精度・配信回数に対する改善を期待する声があります。
ユーザーから嫌悪感を抱かれないために、以下の要素が重要になります。
クリエイティブの品質
フリークエンシー(配信回数)
ターゲティングの精度
すぐにできる対策は、配信回数を適切に設定することです。フリークエンシーをテストして、最適だと思われる回数を広告設定内の「フリークエンシーキャップ」から設定しましょう。
運用に知識や経験のある人材が必要
リターゲティング広告は配信リストを設計する必要があります。そのリストによって広告がどのように配信されるかが決まるため、知識やノウハウが必要です。
配信リストを適切に設計できていない場合、関心が低いユーザーに広告が配信されてしまうなど、成果に繋がりにくくなってしまいます。
これからご紹介する「未経験者に広告運用を任せたいのですが、どう教育すれば良いですか?」では、大手企業からスタートアップまで幅広く運用型広告のインハウス化支援を行ってきたコンサルタントが、広告運用における未経験者の教育方法について解説しています。ぜひご一読ください。
リターゲティング広告を運用するべき企業
ここまで、リターゲティング広告の特徴について解説してきましたが、自社で運用すべきか判断できない人のために、リターゲティング広告の運用がおすすめな企業について見ていきましょう。
リターゲティング広告が向いているのは、以下のようなサービス・商品を扱っている企業です。
EC
不動産
旅行
金融
BtoB商材
このように、検討期間が長い商材は全般的にリターゲティング広告に適しています。
対して、以下のような企業では、リターゲティング広告の優先度は低いと考えて問題ないでしょう。
緊急性が高いサービスかつ、一時的な利用で終わるサービス
ユーザーの来訪が少ないサイト
緊急性が高く、一時的な利用で終わるサービスとは、水漏れ修理・鍵の紛失・ロードサービスなどが挙げられます。また、ユーザーの来訪が少ないサイトでリターゲティングを行っても、広告配信できるリストが少ないため、パフォーマンスが出にくくなります。
主なリターゲティング広告の実施手順

ここまで、リターゲティング広告とはどのようなものかについて詳しく解説してきましたが、実際に広告を出稿するにはどのような手順が必要かについても理解しておきましょう。
ここでは、リターゲティング広告でよく利用される以下2つの媒体の実施手順を紹介します。
- Googleディスプレイネットワーク ※略称:GDN
- Yahoo!ディスプレイ広告(運用型) ※略称:YDA
では、ひとつずつ手順を見ていきましょう。
Googleディスプレイネットワークの実施手順

GDNの広告出稿手順は以下の通りです。

では、具体的な手順についてSTEP1から見ていきましょう。
STEP1.タグの発行・設置
タグの発行と設置は、以下の手順で行いましょう。
| 1 | Google広告を開き、上部メニューの「ツールと設定」をクリックし、「オーディエンスマネージャー」を選択 |
| 2 | 画面左側の「オーディエンスソース」をクリック |
| 3 | Google広告タグの「タグを設定」をクリック |
| 4 | リマーケティングの選択肢から「ウェブサイトへのアクセスに関する一般的なデータのみを収集して、お客様のウェブサイトの訪問者に広告を表示します。」を選択し、「保存して次へ」をクリック |
| 5 | タグの設定方法は「タグを自分で追加する」「Googleタグマネージャーを使用する」のどちらかを選択 |
| 6 | 表示されたグローバルサイトタグをコピー |
| 7 | タグを設置したいすべてのページで、コピーしたグローバルサイトタグを<head></head>の間に貼り付ける、もしくは、取得したタグをGoogleタグマネージャーに貼り付ける |
STEP2.リストの作成
次に、以下の手順でリスト作成を進めましょう。
| 1 | Google広告を開き、上部メニューバーから「ツールと設定」を選択 |
| 2 | メニューが開いたら共有ライブラリの「オーディエンス マネージャー」をクリック |
| 3 | 画面左上の「+」をクリック |
| 4 | メニューが開いたら「ウェブサイトを訪れたユーザー」をクリック |
| 5 | セグメント名を入力し、対象・除外となるユーザーのアクションを選択 |
| 6 | 「事前入力オプション」を選択し「オーディエンスを作成」をクリック |
STEP3.キャンペーン作成・リストの紐付け
最後に、以下の手順でキャンペーンを作成します。
| 1 | Google広告から「新しいキャンペーンを作成」をクリック |
| 2 | 広告運用の目的を選択し、「ディスプレイ」にチェックを入れて続行をクリック |
| 3 | 作成した広告グループをクリック |
| 4 | 左側メニューの「オーディエンス」を選択し「オーディエンスの編集」をクリック |
| 5 | ターゲティング内の「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」をクリック |
| 6 | 「ウェブサイトを訪れたユーザー」を選択し、事前に作成したリストを選択して保存 |
キャンペーンを作成したら、リストとの紐付けを忘れずに行いましょう。
Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)の実施手順
YDAの広告出稿手順も、GDNと同様の手順で行います。

では、具体的な手順についてSTEP1から見ていきましょう。
STEP1.タグの発行・設置
タグの発行と設置は、以下の手順で行いましょう。
| 1 | Yahoo!広告管理画面の上部タブにある「ディスプレイ広告」をクリックし、使用するアカウントを選択 |
| 2 | 上部タブにある「ツール」からターゲットリスト管理を選択 |
| 3 | プライバシーポリシーに必要な記載事項を読んで「同意する」をチェックし、「サイトリターゲティング用のタグを取得する」をクリック |
| 4 | ターゲットリスト管理画面で「タグ表示」をクリック |
| 5 | 開いたメニューで「リニューアル版」を選択し、表示されたタグをコピー |
| 6 | タグを設置したいすべてのページで、コピーしたタグを</body>の前に貼り付ける |
STEP2.リストの作成
次に、以下の手順でリスト作成を進めましょう。
| 1 | Yahoo!広告管理画面の右上にあるスパナマークを選択し、共有ライブラリーの「ターゲットリスト」をクリック |
| 2 | 「ターゲットリストを作成」を選択し、4種類のメニューからリスト作成方法を選択 |
| 3 | ターゲットリスト名を入力し、条件を設定 |
STEP3.キャンペーン作成・リストの紐付け
最後に、以下の手順でキャンペーンを作成します。
| 1 | キャンペーンエディター画面左のメニューにある「サイトリターゲティング」をクリック |
| 2 | 画面上部の「サイトリターゲティングの設定」をクリック |
| 3 | 広告を配信するリストを選択し「配信として追加」をクリック、配信を除外するリストなら「除外として追加」をクリック |
| 4 | 画面上部の「アップロード」をクリック |
リターゲティング広告で重要な配信リストの作り方

リターゲティング広告は、配信リストによってどのように配信されるかが決まります。そのため、配信リストの作り方を理解しておかなければ、適切にターゲットを絞ることができません。
基本的な配信リストの作り方は、以下の4種類があります。
サイトに訪れた期間ごとにリスト化
閲覧したコンテンツごとにリスト化
ユーザーの行動ごとにリスト化
流入先ごとにリスト化
では、これらのリスト作成について、詳しく解説していきます。
サイトに訪れた期間ごとにリスト化
もっとも基本的な方法が、期間でリストを作成する方法です。「自社サイト訪問から10日以内のユーザー」というように、リスト化していきます。
10日以内・20日以内・30日以内など複数の日数でリストを作成し、それぞれのパフォーマンスを計測して適切な日数をデータから分析することもできます。
また、訪問から〇日という切り分け方ではなく、「訪問から10~20日目」といったリストを作成することもできます。そうすることにより、期間で表示される広告の種類を変化させることも可能です。
閲覧したコンテンツごとにリスト化
自社サイトのページによって、閲覧しているユーザーの目的は異なるでしょう。そうすると、アプローチの方法もページごとに変化させる必要があります。
例えば、中古住宅情報のサイトであれば、中古住宅の情報を閲覧していた場合は「購入の検討」、売却のページを閲覧していた場合は「売却の検討」が目的であると推測できます。
しかし、どちらの場合でも等しく中古住宅販売に関する広告を配信した場合、売却を検討しているユーザーにとって不要な広告になってしまいます。
ターゲティング制度を高めるためにも、ページの内容に合わせてユーザーの目的に合う広告を配信することが重要です。
また、コンテンツごとにリスト化することで、以下のような使い方もできます。
- カートページやフォーム入力など、CVに直結する主要ページに遷移したユーザーをリスト化して配信を強化する
- コンバージョンページに至ったユーザーをリスト化して広告配信対象から外す
ユーザーの行動ごとにリスト化
滞在時間やページのスクロール率など、ユーザー行動でもリストを作ることができます。ユーザー行動によってCVの確度は異なるため、こちらも重要な要素です。
例えば、LPに遷移したものの3秒で離脱したユーザーと、5分滞在していたユーザーがいたとします。前者はあまり興味関心がないユーザーで、後者はCVに至る可能性が高いユーザーであると言えるでしょう。
また、ページのスクロール率も、ほとんどスクロールせずに離脱したユーザーと、最後までスクロールしたユーザーではCVの確度が大きく異なります。
そのため、「10秒以内に離脱したユーザー」や「スクロール率20%以下のユーザー」といったリストを作成し、配信対象から外すことでより精度の高いターゲティングができます。
流入先ごとにリスト化
ユーザーがどこから流入したかによってリストを作成することも可能です。
例えば、Instagramから流入してきたユーザーの購買率が高い場合、Instagram流入のユーザーをリスト化して配信を強化するといった使い方ができます。
リターゲティング広告の運用でミスしがちなポイント

これからリターゲティング広告の運用をはじめるのであれば、以下のようなミスしやすいポイントも押さえておきましょう。
リターゲティングタグの設定漏れがある
最適な配信期間を設定していない
バナーデザインを改善していない
ターゲットとなるリストが少ない
では、これらのポイントでどこに気を付けるべきかを解説します。
リターゲティングタグの設定漏れがある
リターゲティング広告にはタグの設定が必須で、ページごとにそれぞれ設定する必要があります。そのため、ユーザーがアクセスしたページにタグが設定されていなければ、CookieIDが発行されず、広告が配信されません。
LPには設定されているが、申し込みフォームはされていない、といったことがないように、ページごとにタグが設定されているかを確認しましょう。
最適な配信期間を設定していない
適切な配信期間は扱う商品やサービスによって異なります。
例えば、ファッションと不動産なら、当然不動産の方が検討期間が長くなります。そのため、配信期間を長めにして定期的にユーザーに自社を思い出してもらう必要があるでしょう。
対して、ファッションの場合は検討期間が短いので、配信期間も短く設定するのがおすすめです。検討期間があまり長くない商材の広告を長期間配信した場合、ブランドイメージを下げてしまう可能性があるので注意しましょう。
バナーデザインを改善していない
バナーがいくら表示されても、クリックしたくなるデザインでなければ無視されてしまいます。つまり、バナーを作成したら終わりではなく、日々改善していくことが大切です。
バナーデザインを改善しないまま放置していると、リターゲティング広告の成果を向上できないだけでなく、効果的ではないバナーのまま運用し続けてしまうリスクがあります。
A/Bテストを実施して効果を測定し、繰り返し改善を行うことでバナーを向上していきましょう。
ターゲットとなるリストが少ない
ターゲットとなるリストが少ないと、そもそも広告を配信するターゲットが少なく、成果が上がりにくくなります。
ユーザー数が少ない場合はリターゲティング広告ではなく、自社を認知させるための広告出稿やSEOなどで集客するところから始めましょう。
リターゲティング広告で成果を出した企業の事例
リターゲティング広告で成果を出した2社の事例をご紹介します。
事例(1)改善を繰り返しROASが25%から200%へ
ECサイトを運営している企業における、リターゲティング広告などのWeb広告運用と改善の事例を紹介します。
その企業では、広告運用のためのリソース・知見がないという課題がありました。
改善プロセス
ある季節性商材の売上を最大化するために、ディスプレイ広告(主にリターゲティング配信)・リスティング広告・SNS広告の運用を実施しました。さらに、LPのTOPページ・カート・フォームなど、各階層ごとの遷移数を日々計測していきました。
計測により改善すべき箇所が明らかになり、改善施策を施していくことでCVR改善に取り組みました。
施策の効果
計測により、カード落ちユーザーが多いことが判明したため、LP内のデザインを改善しました。具体的には、決済方式に関するコンテンツやクーポン利用に関する事項を記述するなどの改善です。
結果としてCVRが向上し、想定以上の早期完売に至りました。また、広告配信初週は25%だったROASは、繰り返しの改善によって最終的に目標としていたROAS200%を実現しています。
事例(2)広告の改善方法・分析方法を統一し、事業成長に向けた広告運用の方針決定
次に、どのように広告運用を改善すべきかわからないという課題を抱えていた企業の事例をご紹介します。
改善プロセス
現状の広告運用における課題をヒアリングし、課題解決のために必要なアクションに対し、足りていないリソースやスキルセットの洗い出しを行いました。
また、リスティング広告・ディスプレイ広告に関して、活用すべき媒体機能の確認や、新たな広告媒体を実施する際の方針についてのブレストを実施。
そうすることで、事業部が抱えているボトルネックに対して、どのような方向性で広告運用をしていくべきかを明確にしました。
施策の効果
広告の改善方法・分析方法を統一し、季節性が強い商材に対しては通常とは別のルールで運用を行う方針に決定しました。
入札戦略は急激な成果変動に対しても媒体機能を活用した対処により、安定したコントロールができるように変更。
あまり注力していなかったディスプレイ広告・SNS広告は、改善方法を決めるだけでなく、新たに試すべきターゲティングについても決定し、広告運用全般の方針を決定することができました。
Cookie規制によるリターゲティング広告への影響
リターゲティング広告に多大な影響を及ぼす「Cookie規制」は、徐々に広まりつつあります。
AppleやGoogleにおける現状のCookie規制は以下の通りです。
| Apple(Safari) | 2017年に「ITP」を実装し、頻繁にアップデートを繰り返している。現在はサードパーティcookieがすべてブロックされる仕様になっている。特定のファーストパーティcookieも1日で削除される。 |
Google(Chrome) | 2024年半ばから段階的にサードパーティcookieを廃止することを発表。 |
リターゲティング広告では主にサードパーティCookieを利用した追跡型の広告であるため、すでにSafariでは影響が出ています。ファーストパーティCookieを利用した場合でも配信できる期間が1日なので、Safariでのリターゲティングは困難であると言えるでしょう。
GoogleではサードパーティーCookieを使用せずに広告のトラッキングを可能にする「プライバシーサンドボックス」を開発中で、2023年第3四半期までに、プライバシーサンドボックスAPIが公開される予定です。
このように、規制が進む中でリターゲティング広告は従来のように機能しなくなる可能性があります。そこで、企業が取るべき対応として重要なのは、サードパーティCookieへの依存を脱却することです。
具体的には、自社で保有しているファーストパーティデータ(顧客データ)を収集し、ターゲティングに活用することです。
すでに、ファーストパーティーデータを活用したターゲティング機能として、Google広告では「カスタマーマッチ」、Yahoo!広告では「リストデータ連携」などが提供されています。
また、アンケートなどを通して顧客が自ら情報を提供する「ゼロパーティデータ」の活用も重要になるでしょう。顧客のデータから予測したものではなく、顧客自身が回答した正確なデータであるため、それを基により良いアプローチをすることができます。
このように、ユーザーに選ばれるためにはどのようなマーケティング戦略を行うべきかが重要になるでしょう。
本記事をご覧の方の中には、「全てのデータを残しておくべきなのか、部分的に残すべきかが分からない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからご紹介する以下の記事では、アクセス解析領域で様々な成果を出してきたアナリストが、UAからGA4に引き継ぐ上でバックアップすべきデータについて解説しています。ぜひご一読ください。
まとめ|リターゲティング広告でターゲットを絞った効果的な広告配信を
リターゲティング広告とは、過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して配信される広告です。
リターゲティング広告を配信できる代表的な媒体には、以下のような違いがあります。
| 媒体 | 特徴 |
|---|---|
| Googleディスプレイネットワーク (略称:GDN) | ・Googleと提携する200万以上のサイトで配信できる |
| Yahoo!ディスプレイ広告(運用型) (略称:YDA) | ・Yahoo!ポータルサイトや法人の提携サイトに配信できる |
| 各種SNS広告 Facebook/Instagram/LINEなど | ・フィードに広告が表示されるため広告感が薄れる |
| Criteo | ・Google、Yahoo!、Facebook、Instagramなど幅広く配信できる |
リターゲティング広告を運用することで、以下のようなメリットがあります。
広告を配信するターゲットを絞れる
見込み顧客に再アプローチできる
費用対効果・CVRが高い
単純接触効果を狙える
検討期間が長くなりやすい商材と相性がいい
多くのメリットがある一方、以下3つの留意点についても理解しておきましょう。
潜在層へのアプローチには適さない
ユーザーからマイナスのイメージを抱かれる可能性がある
運用に知識や経験のある人材が必要
適切にターゲットを絞って広告を配信するためには、配信リストの作成が重要です。基本的な配信リストの作り方は、以下の4種類があります。
サイトに訪れた期間ごとにリスト化
閲覧したコンテンツごとにリスト化
ユーザーの行動ごとにリスト化
流入先ごとにリスト化
リストで適切にターゲットを絞って広告を配信するのがポイントです。
リターゲティング広告はCookie規制の影響を大きく受ける広告です。そのため、ユーザーに選ばれるためのマーケティング戦略も検討していきましょう。
よくある質問とその回答
リターゲティング広告とは、過去に自社サイトを訪問したユーザーに対して配信される広告です。
以下のような仕組みで広告が配信されます。
- 自社サイトにリターゲティング用のタグを設置
- サイトを訪問したユーザーの情報を蓄積して配信リストを作成
- ユーザーが掲載面のあるサイトを訪れた際に広告を配信
詳しくは「リターゲティング広告配信の仕組み」をご覧ください。
リターゲティング広告の課金方式は、クリック課金とインプレッション課金の2パターンがあります。
| クリック課金 | 広告がクリックされるたびに課金される |
| インプレッション課金(CPM課金) | 広告を表示した回数にしたがって課金される |
それぞれの費用相場は以下の通りです。
| クリック課金 | 数十円/1クリック |
| インプレッション課金(CPM課金) | 数十〜数百円/1,000回表示あたり |
クリック課金の場合、競争の激しいキーワードは相場を大幅に超える金額になるケースもあります。
詳しくは「リターゲティング広告の費用」をご覧ください。
基本的な配信リストの作り方は、以下の4種類があります。
- サイトに訪れた期間ごとにリスト化
- 閲覧したコンテンツごとにリスト化
- ユーザーの行動ごとにリスト化
- 流入先ごとにリスト化
リストを組み合わせて、ターゲットをより細かく絞ることも可能です。
詳しくは「リターゲティング広告で重要な配信リストの作り方」をご覧ください。
ディスプレイ広告の運用にお困りではないですか?
- ディスプレイ広告を実施していきたいものの、何から始めたら良いかが分からない
- ディスプレイ広告を運用しているものの、成果に伸び悩んでいる
- インハウス体制の強化を行いたい、社内でノウハウを蓄積したい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちMOLTSへご相談ください。ディスプレイ広告に精通したプロフェッショナルが、御社に最適なプランをご提案させていただきます。まずはサービスページをご覧ください。
ディスプレイ広告の運用にお困りではないですか?
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著者情報
Hiroyuki Higashiyama
東山 博行
Marketing Director / Consultant
業界歴13年。ダイレクト案件中心にリスティング・ディスプレイ広告・SNS広告運用型広告の実行、コンサルティングなどマーケティング支援を担当。
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